南蛮という言葉は南方から海を越えてもたらされる異国文化の総称とされ、中華思想において、中国が自国を中華と称し、四辺を東夷、西戒、南蛮、北狄と蔑称したことが語源です。
日本においては蔑視の意味は含まず、単に南の海の遙か彼方に連なる国や、物産を指しさらに珍稀、異風の憧れの意味合いを含んでおり、
国内での製作地としては、平戸、長崎、博多、京都、江戸、会津などが挙げられ異文化交流の所産としてエキゾチックな魅力を放っています。

本作は唐草紋様に左右対称の双龍が珠を追う意匠、南蛮鍔の典型作です。
布目象嵌で華やかに彩られ、切羽台にも彫が施されています。

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